●まったく信じがたい事件です。インプラントの再使用禁止は常識。それを常態的にやっていたと、複数の元スタッフが証言しています。愛知県のこの歯科医師は、もともと色々と不祥事があって地元の歯科医師会を強制退会させられていたとのこと。不正請求や歯科助手にレーザーを照射させるなどの資格外診療をさせて、5年間の保険医停止処分中だったそうで、そういう中でなおバンバン広告を出し、インプラント等保険外診療で稼ぎまくっていたというのですから(フェラーリなど高級車3台を乗り回し、銀座で豪遊していたとのニュースが流されました)、かなり特殊な例と言えるでしょう。 ●この事件で最も被害を受けたのは患者さんたちですが、インプラントにまじめに取り組んでいる歯科医師に与えた影響も計り知れないほどでしょう。きちんと症例を選び、全身的な糖尿病や骨密度などの検査もやり、顎骨の厚みや幅をエックス線やCTで把握し、細心の注意を払い確かなテクニックをもって行えば、今やほぼ確立されたすばらしい治療法なのですが、実際には中途半端な講習を受け安易に取り組んでいる歯科医師もいるようで、残念なことです。 ●私たち歯科医師全員が、慢心せずに日々研鑽を積み、信頼回復に努めなければならないと思います。